キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
「はたから見たら、かなり不審者だぞ、お前……」
少しずつ後ずさっていく宙斗くんに、私は「いかないで!」と叫んで引き留めた。ほっといたら、クラウチングスタートで逃げ出してしまいそうなほど切羽詰まった顔をしていたのだ。
ややあって、ふたりで時刻表の貼られた柱に寄りかかりながら、他のみんなが来るのを待つ。
「今日は来てくれてありがとう」
隣に立つ宙斗くんの横顔を見上げて声をかける。彼はチラリとこちらを見て「別に」と短く答えた。
途切れる会話に、不思議と気まずさはない。一緒に過ごす時間が増えて、口数が少ない彼の雰囲気とかペースに慣れてきたからかもしれない。
ふと、彼のカバンから大きなノートのようなものが飛び出しているのに気づく。
「あ……スケッチブック?」
ノートに英語で書かれていた【SKETCH BOOK】の文字を見て呟くと、それに気づいた宙斗くんは「あぁ」とスケッチブックを見る。
「デザイン、アイデア浮かぶかなって」
「デザインって……あ、【Hiro】の新作ですか!?」
彼はアクセサリーのハンドメイド作家なのだ。
うわー、うわー、見たいなぁ。
少しずつ後ずさっていく宙斗くんに、私は「いかないで!」と叫んで引き留めた。ほっといたら、クラウチングスタートで逃げ出してしまいそうなほど切羽詰まった顔をしていたのだ。
ややあって、ふたりで時刻表の貼られた柱に寄りかかりながら、他のみんなが来るのを待つ。
「今日は来てくれてありがとう」
隣に立つ宙斗くんの横顔を見上げて声をかける。彼はチラリとこちらを見て「別に」と短く答えた。
途切れる会話に、不思議と気まずさはない。一緒に過ごす時間が増えて、口数が少ない彼の雰囲気とかペースに慣れてきたからかもしれない。
ふと、彼のカバンから大きなノートのようなものが飛び出しているのに気づく。
「あ……スケッチブック?」
ノートに英語で書かれていた【SKETCH BOOK】の文字を見て呟くと、それに気づいた宙斗くんは「あぁ」とスケッチブックを見る。
「デザイン、アイデア浮かぶかなって」
「デザインって……あ、【Hiro】の新作ですか!?」
彼はアクセサリーのハンドメイド作家なのだ。
うわー、うわー、見たいなぁ。