*SOUZI*
「そう ご苦労様」

沖田には、優しかった


「あの…御姉上様は…」


聞こうとしたが、微笑んだ顔を見て
沖田は、頭を下げた


「さぁ!用が済んだなら帰りなさい!」





木箱を持ち、屯所に向けて歩き出す




「何歳はなれてるんだ?」

「異母姉弟だから、15かな」

「優しい人だったな」

「怖えよ!」







屯所に帰り、沖田が1人で木箱を開ける


大事に包まれた湯呑み
そして、縫いかけの産衣

その隣に葵の紋が入った短刀



全てを悟った







湯呑みを出し
木箱を閉じる







どうして、今まで気がつかなかったのだろうか…










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