*SOUZI*
将軍からの褒美を支度金とし
江戸へ隊士募集に行くことになった


「総司?いいのかい?」


江戸へ向かう人選で希望を聞く
必ず沖田は、手を上げると思っていた
仲間達からの視線に


「俺が行くと皆、怖がって来てくれない」


募集に自分が不向きだという自覚があった
それは、京で募集した時に
経験済みだった


少し沈黙のあと、盛大に皆が笑う


「今の総司なら大丈夫だろ!?」

「あの時は、こーんな顔してたもんな!」

藤堂が目をつり上げ、沖田に見せる

「そんな変な顔してねぇよ」

「似てる!似てる!」

「似てねぇって!」


ひとしきりからかわれた沖田だったが
以前なら、部屋を出て行っただろう

今は、じゃれるように抵抗する




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