*SOUZI*
「いい人ってのは、凄くわかってたけど」

「こんな日が来るって、昔から覚悟してた
その時は、そばにいて
笑っててあげようと思ってたの
私は、幸せだよって…」


光は、ポロポロ泣き始めた


「伝わってるだろうな
ちゃんと家茂様は、わかってるよ
光がそばにいけなくて悔しかったこと」


光が布団から這い出して
沖田の胸に飛び込んだ


悔しさを吐き出すように
豪快に泣く様子は
自分を兄と見間違え、熱があるのに
家に戻った日と同じだった


あの時は、土方が光を抱きしめていた

モヤモヤする気持ちで
外でポツンと待っていたこと

鮮明に思い出された


父兄がこの世にいないと知っていたのに
会いたかった

あの時と


看取ると心に決めていたのに
看取れなかった


今の光の気持ちが沖田にも伝わった


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