*SOUZI*
「そばにいようと思ってくれてたから
凄く嬉しかったんじゃねぇの?
だから、光の幸せを願ってたんだ」


〝    わかる

労咳と言われて、自分は光を幸せに出来ないと思った時
だったら、他の人と幸せになれって
俺は… 自分を守ることしか…
家茂様は、すげぇな… 〟


散々泣いて
光が沖田から離れようと
もぞもぞ動く


「光」

「はい」


泣き腫らした顔を見られまいと
返事だけする


グイッ



強引に顔を上げられ
重なる唇に驚いたのは、一瞬
そして、目を閉じた


沖田の口づけを追いかけるように
襟元にしがみついた


お互いが、自分の気持ちを隠すことをやめた瞬間だった


酒の勢いということにしようとした

お互いの幸せを願おうと
離れようとした







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