13人のイケメンに囲まれて

私は毎日放課後に、颯太の部活に遊びに行っている。ダンス部は他の部活より遅く始まるので、その時間つぶしにという理由で。
1番の理由は颯太と一緒にいたいからだけど。

｢失礼しまーす。暇なので遊びに来ました。｣
私はいつもの様にボーカル部の教室へと入った。
｢おー！咲良〜！今日は何するー？｣
颯太は笑顔で咲良に話しかける。
｢んーと、じゃあ、一つ質問いい？｣
｢うん！何ー？｣
｢あのね、友達が聞きたいって言ってたから聞くけど、颯太って好きな…｣
｢先輩遅れてすみません！！｣私の会話を遮って言う。ボーカル部の彗だ。
｢咲良ちゃん、また来てたんですねぇ〜｣
｢毎日何しに来るんですかねぇ〜｣
ニヤニヤとしながら私に向かって言う。
｢うるさいっ！それと咲良ちゃんって呼ぶな！咲良先輩でしょ！｣
｢嫌ですぅ〜さーらーちゃん♡｣
"彗めー！！"
唯一彗だけが私の気持ちを知っている。彗は感が良くて気づかれてしまった。それからというもの毎日私をからかってくるのだ。

｢まぁまぁ、咲良！怒んないの！ね？｣
颯太に頭ポンポンされ、心の中では叫んでいた。
｢咲良ちゃんってもしかして〜…颯太先輩のこと好きだったりして〜？｣わざと颯太に聞こえる声で言った。
｢そうなの？｣と颯太が私の顔を覗き込んできた？私は顔が徐々に暑くなっていくのを感じた。
｢どしたの？顔赤いよ？もしかして暑い？｣
と颯太が尋ねる。
そう、颯太は天然しかも、鈍感すぎて、私の気持ちには全く気づかない。良いのか悪いのか…。

｢それじゃぁ、そろそろ部活行くね！｣
私は2人と別れ部活へと向かった。