19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。
無茶振りも無茶振り、勝手に明日も手伝わされることになってるし。

なのに何なの?送ってくよ、って。

勝手なの?優しいの?訳がわかんない。


「そっか、じゃ俺、もう少し探してくから。気を付けて帰れよ」
「あ、りがと。それじゃ」
「おう!じゃーなー」


私を見送る手もそこそこに、彼はまた地面に視線を落としてピアスを探しはじめた。

もう二度と乗らないつもりで脇の茂みに倒した自転車を起こして、ペダルに足を掛ける。

来栖純、変な奴。

ピアスが見つかるまでつきっきりなんて嫌すぎるんですけど。

おかげでまた明日も学校に行かなきゃならないなんて――

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