19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。
「浜口さん、さようなら。お父様にあとで改めてお礼に伺いますって伝えてくれるかしら?」
靴を履き替えていたら、校長先生が声をかけてきた。
「校長先生。お礼なんて、そんな」
「だって双子よぉ。ここは産婦人科がなかったから、本土の病院に行くはずだったんだもの。それが先生が来てくれたから娘が島で出産できたのよ。浜口先生は島の神様も同然なのよぉ」
…ハイ出た。
神様。
だから私はさしずめ神様の子供。
大切に大切に、丁寧に。
そんなの頼んでないのに。
靴を履き替えていたら、校長先生が声をかけてきた。
「校長先生。お礼なんて、そんな」
「だって双子よぉ。ここは産婦人科がなかったから、本土の病院に行くはずだったんだもの。それが先生が来てくれたから娘が島で出産できたのよ。浜口先生は島の神様も同然なのよぉ」
…ハイ出た。
神様。
だから私はさしずめ神様の子供。
大切に大切に、丁寧に。
そんなの頼んでないのに。