19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。
心臓がものすごい速さで胸を叩いて、それが怒りの感情を煽る。

誰に怒ってる?

男子たちに?

川瀬さんたち?

それともこんな仕事してる父に?


もうぐちゃぐちゃでぐるぐるで、混乱。

全部リセットしたい、こんなもの見なかったことにしたい、そう思った。

そのためには、死ぬしかない、そう、思った。


切り抜きを放り投げて、私は自転車を走らせた。


ペダルを漕いで、漕いで、どれくらい漕いだのか。

引っ越しの少し前、一度島を訪れたときに登った丘まで辿り着いていた。
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