19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。
「あ…おはようございます。えっと、少し早いので、海沿いを走ろうと思って」
「そうかい。朝は漁港に出入りする車が多いから、海沿いはあまり行かないほうがいいよ」
「ありがとうございます」
私にとっては知らない人ばかりなのに、まるで監視されているみたいにいつでも誰かの目がある。
大阪や他の所は人目は多かったけれど、道を歩くだけならこんなふうに声を掛けられることなんかなかった。
これ以上進んでも、制服を着て学校じゃないところに向かう様子の私を、皆が不思議に思って声をかけてくるんだろう。
これじゃ展望デッキまで辿り着ける気がしない。
町にいても、学校にいても、息苦しいのは変わらないんだ。
仕方なく、学校へと向きを変え、重いペダルを踏んだ。
「そうかい。朝は漁港に出入りする車が多いから、海沿いはあまり行かないほうがいいよ」
「ありがとうございます」
私にとっては知らない人ばかりなのに、まるで監視されているみたいにいつでも誰かの目がある。
大阪や他の所は人目は多かったけれど、道を歩くだけならこんなふうに声を掛けられることなんかなかった。
これ以上進んでも、制服を着て学校じゃないところに向かう様子の私を、皆が不思議に思って声をかけてくるんだろう。
これじゃ展望デッキまで辿り着ける気がしない。
町にいても、学校にいても、息苦しいのは変わらないんだ。
仕方なく、学校へと向きを変え、重いペダルを踏んだ。