19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。
ふわり。



え?




私の肩を掴んでいた純の腕に、すっぽりと包まれた。

純の胸があったかくって、優しい心臓の鼓動が聞こえる。


がっしりしてる腕なのに、まるで天使の翼に包まれてるみたい。

男の子にこんなことされるなんて初めてで、心臓が飛び出そうだった。

だけど、同時になんだかすごく安心してしまって。



私は、その腕の中で思いっきり泣いて、いつの間にか眠ってしまっていた。

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