19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。


「っはー!船じゃ喋り疲れたな!」
「ホントだよね」


チェーン店のカフェに入り、景色を見回して懐かしむ。
大阪にいたときに、何度か入ったことがある。

都会だぁ。

島にはこういうお店がなかったから、英字がプリントされた外国風の壁がおしゃれすぎて眩しい。

「けどまじですっげーな。かっけー」
「だね」
「俺どうやって注文すんのかわかんなくて焦ったし、祈梨と一緒に来てなかったらヤバかったな」
「あはは、わかんなかったらオススメくださいって言えばいいんだよ」
「へえ、いろんな店でも使えそうだな」
「そうそう、だいたいどこでもこれでオッケーだよ。転勤族の豆知識」
「ははは、転勤族あんま関係なくね」
「言ってみたかっただけー」

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