時計の針を左に回したら。
前に出た途端、すごい勢いでボールが飛んできた。

幸いボールはフェンスにぶつかったけど、私はびっくりして思わず後ろに倒れた。

その様子を見て、さっき私たちに押された子たちがくすくす笑う。

ボールを蹴った選手は謝りにも来ない。

「やっぱり来なきゃ良かった。」と私は思わず呟いた。

「まあまあ、ほら捕まって。」

差し出されたユッキの手に捕まって私は立ち上がった。

スカートについた砂をポンポンと払う。

 

「ほら、あの人」ユッキが指を指した。

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