愛しのメガネちゃん



「実はいるでしょ?気になるヤツとか…」



爺ちゃん先生が教室に入ってきたので、幾分声のトーンを下げて会話を続ける。この際、しつこい男でもいい!!



「違うよぉ…気になるっていうか…元カレが忘れられないだけ」



いつも明るい笑顔の美香子が寂しそうに笑った。



元カレ…か。



忘れられないくらい、その元カレのことが好きだったのか?てか、やっぱり聞かない方が良かった?



「そっか…ゴメンな?聞かない方が良かったよな。」


はぁ、今回はマジでしくった。こんな悲しい顔させるために無理やり席隣にしたわけじゃないのに…



「ううん、大丈夫だよ。アタシもそろそろ吹っ切れなきゃいけないから…」



ははっ

て乾いた笑いをする美香子の顔は見たくなかった。いつもの明るい、幸せな笑顔が見たい。



されとも、美香子はいつも悲しかったのか?だから必要以上に明るく振る舞っていたのか?



そんなのも気付けないなんて、俺相当だせぇ…



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