愛しのメガネちゃん



授業中だということも忘れて、俺は思いっきり叫んでしまった。悲しい顔をしている美香子に向かって…



「悠太くっ…」



「─っ!!」



俺の名前を呼んだ美香子を遮って、席を立った。何事かとクラス全員の目という目が、俺に向けられた。



教室を出ていこうとする俺を、やっと我に返った爺ちゃん先生が呼び止める。



「さ、櫻井っ!!」



でも今の俺にはそんなこと、どうだってよかった。



教室を出る時、最後にみた美香子は俯いていた。…本当に最低だ、俺…。



教室のドアを閉めて、爺ちゃん先生が来ないうちに足早にその場を後にする。



目指すのは勝矢のいるはずの保健室。



一刻でも早く勝矢に『お前は馬鹿だ!!』と怒鳴って欲しかったから。






美香子…
ゴメンな───



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