愛しのメガネちゃん



そして『咲』は、急いで着替えたのか制服のリボンとカーディガンを手に持ち顔を真っ赤にし、俺を睨みながらバタバタと保健室を出て行った。



「勝矢ぁまじで止めろよ、そーゆーの。お前めぐみが好きなんじゃねぇのかよ?」



「…」



カーテンの中に入ると、ベットの上でシャツのボタン全開の勝矢が不貞腐れていた。



「あんまり続くようじゃ、本当に別れさすよ?」



「…ごめん」



ポツリと謝罪の言葉を勝矢から聞いたのは何ヵ月ぶりだろう。それくらい勝矢は普段謝らない。だけど──



「それ、俺じゃないよね?」



俺に謝ったってしょうがない、だからといってめぐみに“浮気”のことを言うのは可哀想だ。だから謝罪の変わりに止めて欲しい。



「…ごめん」



はぁ……って!!
俺こんなこと言いに来たわけじゃねぇよっ!!でもたがらといって、今さっき“浮気”してたヤツに喝を入れられるのは尺だ。



ん"〜っどうしようか…



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