愛しのメガネちゃん
ガラッ
丁寧に開いた保健室のドアからは小柄な築島先生が入って来てふんわりと微笑んだ。
「こらっ!!ドアに“入室禁止”て掛けてたでしょ?サボりの子は入れませーん」
と悪戯っぽく注意した。でもそこで保健室を追い出さないのが築島先生の優しさだ。
「今度から気をつけるー」
なんの反省もない俺たちの返事に築島先生はふふふっと優しく笑った。
つか今、良いこと考えたっ!!
勝矢に相談したくなかったら、まだ若い築島先生に美香子のことを相談すればいいんだ。歳上な築島先生だったら俺たちよりも恋愛経験も豊富なはずだ。
しかも女の子だから、美香子の気持ちも分かるかもしんないしっ!!
「先生ー」
消毒液や体温計、ガーゼ、バンソウコ等の整理をしていた先生に保健室特有の丸椅子に座り声をかける。
「なあに?」
作業を中断させ、俺の方を振り返る先生に相談事をぶつける。
「先生って恋愛相談も受け付ける?」