愛しのメガネちゃん



「…それで男の子は助かったんだけど、渉くんは打ち所が悪くて…即死だった。美香子ちゃんには悲しむ暇もなかったの、さよならも愛してるも言えなかったの」



辛そうな顔で最後に一言漏らした。



「それから美香子ちゃんはずっと、心にポッカリ穴が開いている状態なの。昔の美香子ちゃんをしっている人からみたら、今の美香子ちゃんの元気を空元気って思うわ…絶対」



先生の言葉に、俺は固まってしまった。俺が高校で知り合ってからの美香子は毎日悲しんでいたのか



全然気付けなかった。いつもの笑顔はやっぱり本当の美香子じゃあなく、本当の美香子はさっき教室で見た泣きそうな顔の美香子なのか?



今も、美香子は渉だけを想って思い出の中にいるのか?



俺は美香子を救えない?



俺じゃぁ美香子を支えられない?



俺は美香子の特別な存在になれない?



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