愛しのメガネちゃん



勝矢がめぐみを嗜めると、めぐみは眉間に皺を寄せて上目遣いに勝矢を見た。



「だって悠がっ」



「悠太が一番気にしているよ…美香子のこと。だから悠太に教えてやって?」



勝矢が優しく促すとめぐみはしぶしぶといったていで、ボソッと美香子の居場所を呟いた。



「一人になりたいからって…昼休みになってすぐに屋上に行った」



「屋上…」



まさか、思い詰めて飛び降りる…なんてことはないよな?



「ねぇ、悠はなんか知ってるの?美香子のこと」



「え?」



「だーかーらーっ、美香子のことよ、美香子!!」



あれ?美香子ってめぐみにも過去のこと話してなかったんだ。



「それは…」



真剣にというより、睨むように俺の顔を見ているめぐみ。



…ってか、めぐみに『渉』のこと話してなかったのに俺が勝手に話しちゃっていいの?



それはやっぱり、ダメだよな?



ここはもう、逃亡あるのみだ!!



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