愛しのメガネちゃん
言葉を出そうとするけど、口からは何も出なくてさっきからずっと開けては閉めるの繰り返し。
さっきから、いったいどれくらいの時間が経ったんだろう?
1分、10分、1時間?
それとも、それ程時間は経っていない?
そんなことを考えている時、先に沈黙を破ったのは美香子だった。
「さっきのこと気にしないで、アタシは大丈夫。あんなこと言われたの…アタシの気持ちに気付かれたの始めてっ、ビックリしちゃっただけだか。」
そして、また悲しそうに笑った。
「あ…またやっちゃったね。悲しいのに、笑っちゃった」
と今度は涙を静かに流した。
「悠太くんの言ったこと全部当たってる。だから本当に気にしないで…アタシももうそろそろ、本当に吹っ切れなきゃいけないから」