愛しのメガネちゃん
再び沈黙が屋上を覆う。
でも今回はさっきと少し違う。今までに無いくらい真剣に美香子を見つめる。
真剣に見つめたところで、どうにもならないことも美香子の気持ちも分かっている。
だけど、この気持ちをどうしても美香子に伝えたかった。美香子が『渉』を想うように、美香子も想われているって知って欲しかった。
「…悠太くんの気持ちは嬉しいけど、やっぱりまだ渉のこと忘れられない。だから、ごめ」
「ストップ!!その先は言ったらダメでしょ。その先は美香子が気持ちの整理出来た時に聞くから。それまではずっと友達として、美香子の傍で支えていくから…」
「…だから」
「美香子はずっと笑顔で居てくれな!!」
「…悠太くん」
「な?」
「…うんっ!!」
俺の一番好きな笑顔で優しく頷いた。