愛しのメガネちゃん



授業が始まって10分くらい経った頃、俺はすでに限界。数学とかまじで意味解んねぇっ!!



何?!正弦定理って!!余弦定理ってぇ!!



頭の中はもうパンク寸前。もうこれ以上しても意味がありません。授業放棄しまーす。



…と窓の外に目をやった時だった。俺の目に飛び込んできたのは、青い空でもなく白い雲でもなく、空を飛ぶ鳥でもない。



茶色の縁のメガネをして、落ちてくる長いストレートの髪を耳に掛け、真剣にノートを録る美香子だった。


一瞬自分の目を疑った。いつもは人一倍テンションが高く、奇々怪々な発言をして皆を笑わせている美香子が真面目に授業を受けている。



正直、美香子はノートなんて録らず寝ているか、周りの友達とこっそりと話していると思っていたから。



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