東大寺 瑠璃子
瑠璃子姫に最初に接近してきたのは長住様でした。
瑠璃子姫は必死で怒りを押し殺し気のあるふりをしました。
壁ぎわに追い詰められ唇を奪われるのを待つふりをして短刀で殺してやろうと思っていたのです。
それを見ていた長住様の婚約者の愛らしいお顔の壇之浦勝子(だんのうらかつこ)姫は怒り狂い2人を引き離しました。
「この泥棒猫！長住様は私と婚姻の約束をしてるんですよ！？」
と瑠璃子姫を平手打ちしようとしましたが、瑠璃子姫に手首を掴まれてしまいました。
瑠璃子姫は必死に怒りを押し殺し冷静に
「だからなんです？長住様は菊子殿を手籠めにして私も手籠めにするつもりで唇を奪いに来たんです。あなたのお言葉は言いがかりです。」
と言った。勝子姫は瑠璃子姫の手を跳ね除け。
「え！？どういうことですか！？長住様！！」
「ふんっ！そんな下級女官の言うことを聞くのか？バカバカしい。(東大寺瑠璃子・・・。許さん！！)」
そう言って急いで逃げてしまいました。
「長住様！！」
勝子姫も長住様を追って行きました。
瑠璃子姫はこの怒りをどこにぶつければ！！とイライラがおさまらず苦しんでいました。
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表紙・目次

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