諦めと渇き
そんな、子供だった頃。
今もまだ子供ではあるが、大人でもある。
大人の仲間入りをするために、
色んなものを捨てなくてはならない。
交換するのはシールではなく、お金。
黒く光った靴に白い靴下。
裸足で感じた地球は、
靴と靴下とアスファルトを通して感じる。
砂場で水遊びをして母を困らせる事はもうない。
思い出を残したまま、
子供から大人へ、
シールからお金へ。
大きいシールは一万円、
ぷっくりしたシールは五千円、
匂いのするシールは千円、
その他五百円。
小学生の夢と希望の詰まったそれには、
付加価値がついてくる。
誰かがどこかでみて、勝手につけてくる。
< 3 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop