LOST~失われた日常~
プロローグ
初夏の少し暑い教室の空気に涼しい風が私の髪をなびかせながら教室に入り込む。
教卓では教師が熱弁を振るい、それをぼんやりと聞きながらノートをとる。
私、涌井 咲奈はごくありふれた女子高生だ。
ボブヘアーで身長は160センチぴったりで、体重は…どこぞの白猫と同じリンゴ3つ分だと思いたい。好きな物はEDMと布団とチョコレートの陸上部所属だ。
特にこれといった特技もないが、部活も勉強もそれなりに両立しながら日々を過ごしていた。
しかし、約1か月前事件が起きた。私の親友の、近江 美幸が行方不明になった。警察は家出人として捜索しているらしく、しばらく地方ニュースを騒がせたが、少しずつ美幸の事を取り上げる事はなくなっていった。
もちろん私も心配で、他の友達と一度近江家を訪ねてみたことがあったが、両親は留守で話を聞くことはできずその日は引き上げた。
(美幸…どこにいんのよ…)
何度となく心の中で呟いた言葉をもう一度反芻する。そんなことを考えていると、
「おい涌井、ボーッとしてるな!授業中だぞ!」
という教師の怒声が聞こえた。
「はい…すみません。」
私は素直に答えると、再び授業に意識を集中させた。
教卓では教師が熱弁を振るい、それをぼんやりと聞きながらノートをとる。
私、涌井 咲奈はごくありふれた女子高生だ。
ボブヘアーで身長は160センチぴったりで、体重は…どこぞの白猫と同じリンゴ3つ分だと思いたい。好きな物はEDMと布団とチョコレートの陸上部所属だ。
特にこれといった特技もないが、部活も勉強もそれなりに両立しながら日々を過ごしていた。
しかし、約1か月前事件が起きた。私の親友の、近江 美幸が行方不明になった。警察は家出人として捜索しているらしく、しばらく地方ニュースを騒がせたが、少しずつ美幸の事を取り上げる事はなくなっていった。
もちろん私も心配で、他の友達と一度近江家を訪ねてみたことがあったが、両親は留守で話を聞くことはできずその日は引き上げた。
(美幸…どこにいんのよ…)
何度となく心の中で呟いた言葉をもう一度反芻する。そんなことを考えていると、
「おい涌井、ボーッとしてるな!授業中だぞ!」
という教師の怒声が聞こえた。
「はい…すみません。」
私は素直に答えると、再び授業に意識を集中させた。
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