ただずっと、君が好き
冬花ちゃんは駆け寄ってくると、私の足に抱きついた。


「お姉ちゃん、ふーかのお兄ちゃん知らない……?」


今思うようなことじゃないとわかっているけど、私を見上げる冬花ちゃんは、ものすごく可愛い。


私は冬花ちゃんと目線を合わせる。


こういうとき、知らないと答えたら不安になってしまうはず。
安心できるような話をしないと。


「今日はお兄ちゃんと来たの?」


冬花ちゃんは頷く。


「お兄ちゃんとお買い物に来たら、お兄ちゃん、お友達に会って……お菓子見て待っててって言われたの。でも、ふーか寂しくなって、お兄ちゃん探しに行ったら、お兄ちゃんいなくて……」


小さい子にしてはしっかりとした子だ。
状況がちゃんと伝わってきた。


でも、迷子であることに変わりはない。


「冬花ちゃん、お兄ちゃんの名前わかる?」


さっき子供とは思えないくらいしっかりとした答えをしてくれたのに、この質問には首を傾げた。


私のことを知っているなら、名前を知れば探せるかと思ったんだけど……


「ひなた?何してんの?」


どうしようかと悩んでいたら、買い物を終えた夏希が戻ってきた。


「この子、迷子みたいで」
「そうなんだ。迷子センター行ったら?」


夏希の言葉を聞いて、冬花ちゃんは私の後ろに隠れた。
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