ただずっと、君が好き
近江君はさっき以上に顔を赤くした。


「なんで近江がひなたの写真、持ってんの」
「友達の写真持っててもなにもおかしくないでしょ」


夏希の言葉で、自意識過剰の自分を恥ずかしく思う。


冬花ちゃんは、近江君が私の笑顔の写真を持っていると言っていた。
だから勝手に、近江君が私のこと好きなんじゃないかと思ってしまった。


本当に、恥ずかしい。


最近、恋愛のことばかりだったから、思考がそっち方面に偏っていた。


「本当にそれだけ?」


沙奈ちゃんがここまで疑い深かったとは知らなかった。
沙奈ちゃんも多分、私と同じことを考えているんだと思う。


近江君は自分を落ち着かせるために、ため息を一つした。


「体育祭の写真だよ。ひなたちゃんだけじゃなくて、ほかの人の写真もある」


それを聞いても、沙奈ちゃんは納得していないみたいだった。
すると、夏希が沙奈ちゃんの頭を叩いた。


「疑いすぎ。それとも何?沙奈はひなたと嵐士君が友達になることも許せないの?嵐士君が誰と友達になるか、沙奈が口出ししていいことじゃないよ」


夏希に怒られて、沙奈ちゃんは冬花ちゃんのところに行ってしまった。


近江君に対する印象は、少しずついい方向に向かっていたと思ったのに、今日の出来事で逆戻りしてしまったらしい。
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