ただずっと、君が好き
5.苦悩と敗北
聖の彼女になった日の放課後、私たちは一緒に帰ることになった。
学校を出てすぐ、右側を歩く聖がそっと私の手を握った。
驚いた私は、聖のほうを見上げる。
聖は顔を背けていたけど、耳まで真っ赤だ。
天形では絶対にありえないこと……じゃなかった。
アイツのことは考えないようにするんだ。
「あれ、矢野?海崎もいるじゃん。久しぶり」
すると、前から勢いよく話しかけられた。
それは、勝手に天形に私の連絡先を教えた奴だった。
「高井……?久しぶりだな」
「おう。てか、もしかして二人やっぱ付き合ってたんだ?」
高井の視線は下のほうを向いていた。
何を見ているのかと思ったけど、すぐに聖と手を繋いでいたことを思い出した。
私が恥ずかしくて離したいって思っているのが伝わったのか、聖は手を離して、私を背中に隠した。
「やっぱりって?」
「だって、お前らずっと引っ付いてただろ。まあ、矢野妹も一緒にいたけど」
聖の背中越しに見える高井は、聖の質問に不思議そうな顔をして答える。
「ああ、そうだ。海崎、晃から連絡あった?」
少し顔を覗かせていたから、高井と目が合ってしまった。
逃げるにも逃げられないけど、答えたくもない。
「天形から?なんで?」
学校を出てすぐ、右側を歩く聖がそっと私の手を握った。
驚いた私は、聖のほうを見上げる。
聖は顔を背けていたけど、耳まで真っ赤だ。
天形では絶対にありえないこと……じゃなかった。
アイツのことは考えないようにするんだ。
「あれ、矢野?海崎もいるじゃん。久しぶり」
すると、前から勢いよく話しかけられた。
それは、勝手に天形に私の連絡先を教えた奴だった。
「高井……?久しぶりだな」
「おう。てか、もしかして二人やっぱ付き合ってたんだ?」
高井の視線は下のほうを向いていた。
何を見ているのかと思ったけど、すぐに聖と手を繋いでいたことを思い出した。
私が恥ずかしくて離したいって思っているのが伝わったのか、聖は手を離して、私を背中に隠した。
「やっぱりって?」
「だって、お前らずっと引っ付いてただろ。まあ、矢野妹も一緒にいたけど」
聖の背中越しに見える高井は、聖の質問に不思議そうな顔をして答える。
「ああ、そうだ。海崎、晃から連絡あった?」
少し顔を覗かせていたから、高井と目が合ってしまった。
逃げるにも逃げられないけど、答えたくもない。
「天形から?なんで?」