ただずっと、君が好き
次の日、目が覚めたら天形からメッセージが届いていた。
なんでも、話があるから時間を作ってほしいとか。


私は返信に迷って、結局何も返さなかった。


家を出ても、聖の迎えはなかった。
昨日の昼休みあたりから様子はおかしかったけど、今日は休みなのか、なんて思いながら一人で登校する。


一人での登校は、なんだか寂しかった。
また聖の存在の大きさを感じて、自分が今からしようとしていることが間違っているような気分になる。


そう思うと、ため息をつかずにはいられなかった。


「朝からため息だなんて。見てるこっちまで気分が落ちるわー」


俯いて歩いていた私は、その声の主を探す。
それは聞きなれた声で、今まさに求めていた人の声だ。


聖はちょうど曲がり角にある、私の腰くらいの高さの塀に腰かけていた。
目が合うと、聖は右手を軽く振った。


昨日よりも少し元気になっているようで、安心する。
私は聖のそばに立つ。


「ここで待っててくれたの?」


若干声を弾ませて聞いている自分が信じられなかった。


私はこれから、何をする?


さすがに、自分でもありえない。
優柔不断どころか、最低だ。


そう思うと、聖から顔を背けてしまう。


「なあ、ひなた。恋人ごっこ、やめよっか」
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