この空に、全ての願いを託して。
「はい、持ってきたよ。泣きながら喋り倒して喉乾いてるだろうから、少し多めにお水持ってきた!」
千穂は、少しお湯を足して冷た過ぎてお腹など身体を冷やさないように、気を使ってお水を持ってきた。
「ちぃちゃん、ありがとう。……ごめんね。色々と」
「謝らなくても大丈夫だから。『ありがとう』だけで充分だよ」
「ちぃちゃんは、なんでそんなに私に優しくしてくれるの?」
「お姉ちゃんだからだよ。私が尊敬する、お姉ちゃんだから。いつも笑ってて欲しいから」
「そっか…」
澄佳は、お姉ちゃんだからという言葉が、頭に残った。
“お姉ちゃん”じゃなければ、ここまで優しくされなかったのだろうか?と、一瞬考えたことは胸に閉じこめた。
「もう、夜遅いよ。お姉ちゃん、もう寝よう?」
「寝なきゃだよね。明日も学校なのに、起きれなかったら困るもんね」
「お姉ちゃんが寝るまで隣に居るから、気にせず寝ていいよ」
千穂と澄佳の部屋は広い部屋だが、一緒の部屋なのでほんの少し狭く感じる。
ベットは二段ベット。
下では澄佳が寝ていて、上は千穂が寝ている場所だ。
本当は、部屋を分けることも出来るのだが、幼い頃のまま同じ部屋で過ごすのが落ち着いて、千穂がこのままでいいと言ったのだ。