先輩に愛されすぎて。
「会長か?」


なんで見透かすんだろう。


私ってそんなに分かりやすいのかな。


「ちがっ…」


「分かったから…泣くな」


桃香が泣いたら俺が悪者みたいじゃん、と


笑いながら言う。


多分、私を笑わせようとしてるんだろう。


「祐…お前さぁ…冷たすぎないか」


「あっ…」


下の階からそんな声が聞こえて来た。


「桃香、来い」


たっくんに手を引かれて階段をさらひ上がる。


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