先輩に愛されすぎて。
ほっとけ、そう言って屋上に座った。


「でも…」


「良いから、行って来い」


振られたら許さねー…


なんて悲しそうな笑顔で言わないでよ。


「ありがと」


そう言って私は屋上を出た。


「ッ…ハァ…」


1限目があと10分で始まるというのに


私はひたすら祐さんを探し続けた。


3年生の教室に行っても居なくて。


廊下を走り回ってもどこにも居ない。


「っ…どこ…」


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