いつか君を振り向かせられたなら
『広がる星空に手を伸ばし流れゆく星を掴もうとした』






私が好きな合唱曲の中のワンフレーズ







ここの部分を歌う時が1番楽しい







『僕らはどこへでもいける〜流れる星のように』







全てを歌い終えてイヤホンを外すと







「すげーな」







心地よい低音ボイスが後ろから聞こえ覚えのある声にバッとふりむく






振り返ると予想通りの人物





「や、矢野!?なんでここに居るの!?」





滅多にみせないそのまぶしいドキドキさせる笑顔で立っていた





その笑顔に引き込まれそうになって思わず意識が遠のきクラッとする自分の体を慌てて奮い立たせる





数学の授業の時のことを思い出したせいで胸のどきどきが止まらない





鳴りやまないそのドキドキする胸を押さえる




「ってか!いつ入ってきたの!?えっまさか歌聞いてた?どーしよう…えっ。どうしよう…」






あまりにもびっくりしすぎて挙動不審になり自分が何を言っているかも分からなくなる



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