いつか君を振り向かせられたなら
「お前が入ってきた時から居た。誰もいないつってたけどお前前しか向いてねーから後ろ確認してなかったろ」






そういって私を見てふっと笑う彼





その瞬間また私の顔が火が付いたように真っ赤に染まっていく





私の胸の中も挙動不審なんじゃないかと思うレベルでさっきからいろんな音が絶えず聞こえてくる






ドキンドキン





うるさい胸を押さえながら矢野との会話を続ける






「えぇ!ほんと!?私アホだなぁ…」







「あぁ。ほんとアホだと思ったよ。」






「うっ…」







「だけどすげーな。すごい綺麗な声で歌うのな。ただのアホじゃねーな」







そう言って矢野はフッと笑った




まただ




不意打ちで笑われると胸の音が激しくなる




いっぺんにドキドキしたせいで胸が苦しくなって息が止まりそうになる





固まってしまった私を矢野の顔がのぞき込んできた
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