いつか君を振り向かせられたなら
クラスの人が集まってるところに着く直前




私のことをゆっくりと下ろしてまっすぐ目を私に向けた




「とりあえずお前を見つけられて本当によかった。これからもなんかあったら俺を頼れ」




そう言うとふいっと顔を背けた





あまりにも真っ直ぐで綺麗な瞳にクラっとして引き込まれそうになったがなんとか耐えて大きく頷いた





「「響ー!!!!」」




私の目の前まで全速力で走ってくる美波と夢




半泣きになりながら私を抱きしめた




「よかっだぁぁぁぁぁ私達後ろ見れてなくて…ごめんねぇぇぇぇ」




「本当にごめんなさい。響が見つかってなかったら私…もう耐えられなかったわ…」





「「だけどとりあえず本当に戻ってきてくれてよかった!」」





泥だらけの私を抱きしめて同じく泥だらけになった美波と夢で私の無事を祝った





2人はワンワン泣きながら私の肩に顔をうずめている





本当にいい友達を持ったな




抱きしめられて二人のやさしさを感じて自然に笑顔になっていると矢野と目が合う




『よかったな』




口パクでそう言って私に向かってフッと笑った




あ、この笑顔




屋上で見た時と同じような笑顔で胸が高鳴る




私も矢野のほうを向いてうん!とおおきく伝わるようにうなうなづいた
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