いつか君を振り向かせられたなら

「す、ストーーーーップ！」



車いすで矢野と悠斗の間に無理やり入りこむ



そして矢野の腕をつかむ



「だめ！ダメだよ！殴っちゃダメ！」



必死の思いで矢野の腕を引っ張って矢野に訴える



「え？いや、は？」



見上げると矢野は大きく目を見開いて固まっていた




「だから…」



でも・・・



私の中に疑問が生まれる




殴ってもいないのに殴っちゃだめって言うのはおかしい





これは止めるといっていいんだろうか・・・




早とちりしすぎたな




矢野の腕をつかみながら一人反省会




本当にこういう時自分の性格が嫌になる




あーやだな。一気に自分の性格に落胆する



しかしそんな私を元気づけるかのように




「あはははは」



どこからともなく笑い声が聞こえてきた




笑っているのは矢野





矢野が声をあげて笑うのは初めて見るため思わずびっくりする





同時にキラキラとした矢野の笑顔の眩しさやかっこよさに思わず目を背けそうになる




キャンプファイヤーを見ていた人たちも矢野の方を見てびっくりしていた




そしてみんな口々に矢野の笑顔のかっこよさを語っていた




「やばい！カッコよすぎ！」




「尊すぎて直視できないんだけど！」



「なんか…男の俺らでもちょっとクラっとくるよな…」