いつか君を振り向かせられたなら

誘い

一日中クーラーをつけていないと耐えられない8月下旬



世間はまだ夏休みで宿題に手を付けていない人もまだ大勢いる中私は学校へ向かっていた





私の学校は夏休み中に一度登校日というものがある





生活リズムを直すとかなんとかで大体夏休み明けの2週間前に設定される







今日はその登校日で久々に会う人達のちょっとした変化に驚いたりクラスの雰囲気を懐かしんだりしていた






ただ夏休みに入る前と違うのは私が矢野に恋をしていると気づいたこと





今までいた教室全体の色とか雰囲気などが明るいように感じる





そして空気がふわふわとしているように感じられる






「今日もかっこいいな…」




廊下で壁に寄りかかりながら村田くんと話している矢野を見てそうつぶやく




その呟きは美波に聞かれてしまっていた
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