さよなら、センセイ
「…参ったな。綺羅には敵わねぇな」
ヒロは頭をポリポリとかく。

「綺羅の言う通りだよ。
あん時のカテキョーは、若月先生だ」

アッサリと認めるヒロ。
恵は、困った表情でヒロを見ている。そんな恵に、ヒロは大丈夫と言わんばかりにうなづいてみせている。

そんなちょっとした仕草も、見方が変われば恋人同士にしか見えない。


「めぐみ先生ならわかる。ヒロを変えられたこと。
でも、いいの?ヒロ、先生と離れて大丈夫なの?」

ヒロはチラリと恵を見て、小さく眉をひそめる。
ほんの少し垣間見れるヒロの弱さ。
そんな表情を見たことがなかった綺羅は、恵に懇願した。

「めぐみ先生。ヒロの側にいてあげて」

だが、恵もヒロをチラリと見て、そして首を横に降る。

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