さよなら、センセイ
「ん?見かけない顔だね。学部、どこ?」
恵が食べ始めた途端、通りすがりの男子学生が恵に声をかけてきた。
恵はまさか大学生に見られると思わなかったのでビックリしてしまう。
「隣、空いてます?」
今度は別の男子学生。あっと言う間に恵は3〜4人の男子に囲まれた。
恵は、自分が醸し出す美しさに自覚がない。
普段はジャージ姿で、服装には無頓着。
今日は流石に精一杯のお洒落をしてきたが、これも、四年前に東京を離れる時に買ったもの。
だから、目立つはずないと思っていたのだが…
「…?
あれ?
もしかして、丹下先生?」
その時、通りかかった男子学生が、恵に気づいた。
「あ、そうだ。やっぱり、丹下先生!
俺、花園牧高の本山です。お久しぶりです!
うわぁ、こんな所で先生にあえるなんて」
本山は、去年の恵の教え子だった。
「え、高校教師!?」
それまで恵の隣に座っていた男子が驚いて引いた隙に、本山がそこに座った。
「こんな所で何してるんですか、丹下先生」
「夏休みでね、東京に遊びに来たんだ。
この大学に知り合いが通ってるからちょっと覗きにきたの。
今年も、慶長大学を受験希望してる子は多いし、見学がてらね。
本山君に会えて、良かった。それにしても、夏休みなのに学生さんたくさんいるね」
「ああ、今日は夏休みの特別講座があったから。
それより、先生、この後は?
東京に住んでるって言ってた旦那さんのとこ、行くんですか?
もし、時間あるなら、飲みに行きませんか?
花園牧高出身のやつら、呼び出します…か…ら…」
と言った本山が、視線を恵の頭上へと移した。そして、顔を強張らせつつも、目を輝かせる。
恵が食べ始めた途端、通りすがりの男子学生が恵に声をかけてきた。
恵はまさか大学生に見られると思わなかったのでビックリしてしまう。
「隣、空いてます?」
今度は別の男子学生。あっと言う間に恵は3〜4人の男子に囲まれた。
恵は、自分が醸し出す美しさに自覚がない。
普段はジャージ姿で、服装には無頓着。
今日は流石に精一杯のお洒落をしてきたが、これも、四年前に東京を離れる時に買ったもの。
だから、目立つはずないと思っていたのだが…
「…?
あれ?
もしかして、丹下先生?」
その時、通りかかった男子学生が、恵に気づいた。
「あ、そうだ。やっぱり、丹下先生!
俺、花園牧高の本山です。お久しぶりです!
うわぁ、こんな所で先生にあえるなんて」
本山は、去年の恵の教え子だった。
「え、高校教師!?」
それまで恵の隣に座っていた男子が驚いて引いた隙に、本山がそこに座った。
「こんな所で何してるんですか、丹下先生」
「夏休みでね、東京に遊びに来たんだ。
この大学に知り合いが通ってるからちょっと覗きにきたの。
今年も、慶長大学を受験希望してる子は多いし、見学がてらね。
本山君に会えて、良かった。それにしても、夏休みなのに学生さんたくさんいるね」
「ああ、今日は夏休みの特別講座があったから。
それより、先生、この後は?
東京に住んでるって言ってた旦那さんのとこ、行くんですか?
もし、時間あるなら、飲みに行きませんか?
花園牧高出身のやつら、呼び出します…か…ら…」
と言った本山が、視線を恵の頭上へと移した。そして、顔を強張らせつつも、目を輝かせる。