さよなら、センセイ

「山中先生」

「あぁ、若月先生。
すみません、呼び出したりして」

山中はそう言うと言葉を区切り、うつむいた。
なんだか、いつもと様子が違う。

「いえ、こちらこそ、わざわざこんなところまで来ていただいて…急ぎのものですか?」


「若月先生」


山中は切羽詰まった、強張った顔で恵を見る。そして、口を開いた。





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