さよなら、センセイ


かがり火の灯りに向かって歩いて来る、1組のカップル。
男子は制服だが、女子は私服だ。

「おい、おい、丹下が連れてる子、チョー美人じゃね?」
「やっぱ、流石だよな丹下。モテ男、羨ましいっ」

ヒロと女の子は親しげに話をしながら、かがり火を見つめて笑っていた。

「あれが、ヒロの新しいカノジョか。
なんか、思ってた感じと違うなぁ」

綺羅はつまらなそうにボヤく。

「立花さんのほうが、似合ってるよ。可愛いし、しっかりしてるし」

「ありがとう、めぐみ先生。
でも、ヒロのことは、もういいの。
私も、アイツもね、ずっと今が楽しければそれで良いって、適当に付き合ってた。

でも、ヒロは変わった。
キチンと未来を見据えて、地に足をつけて歩くようになった。

私も、負けてらんないから。
チョーいい女になって、ヒロの秘書になる。誘惑しまくってやるから〜
早速、誘惑の練習!いい男探しに行ってくるー」


綺羅はウィンクして、かがり火の周りに集う男の子達の輪の中に入っていった。


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