さよなら、センセイ
「何言ってるんだよ、メグ、そんなのダメだ」
そんな恵をヒロはがむしゃらに抱きしめる。
「ヒロ。
あなたはきちんと高校を卒業して、大学に行くの。
いい?こんな事で潰されない強い人になってよ。秀則さんにも、社会の荒波にも負けない強い男になるの。
その為になら、私はどうなっても構わないから」
ヒロの背を優しくさすり、言い聞かせるように告げた。
「嫌だ。
メグだって、念願の教師になれたんじゃないか。
処分があるなら、俺も受ける」
恵は、ゆっくりと体を離し、ヒロの頬を両手で包む。
「私の夢はもう叶ったからいいの。
ヒロ。
こうなるかもしれないって、私、ずっと考えてた。だから、気持ちの整理はついてる。
大丈夫。私はずっとヒロの側にいるから。
逆に、先生じゃなければ堂々と会えるわよ」