さよなら、センセイ


「わかりました。

若月先生。
明日の全校集会で今回の噂を全否定して下さい。

二人とも、あと半年足らず、行動には充分注意をして下さい。

次は、ありませんよ。

教頭、山中先生、それで、よろしいですね」


校長の決断とあれば、従わざるを得ない。
二人とも苦虫を噛み潰したような表情で頷いた。


「若月先生と、丹下くんにはもう少し話を聞かせてもらいます。
二人は仕事に戻って。
教頭、何か聞かれたら事実無根として下さい。
山中先生、若月先生が訴えれば、あなたのした事は審議にかけなければならない不祥事事案ですよ。謹んで下さい」

教頭と山中は、頭を下げて部屋を出て行った。
それを確認してから、校長は小さくフッと息をついた。


「校長先生。
ご迷惑をおかけして、申し訳ございません。
本当にありがとうございました」


恵が頭を下げると、校長は笑って、そして今までより小さな声で言った。



「打ち合わせ通り、上手くいったね、ヒロ」


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