ようこそ、不思議の国へ



「アリス!!」

僕が女王様に新しい魔法を教えてもらってから数日後。僕がいつも通り、授業を受けていると僕の名前を呼びながらシャルルが教室の窓から入ってきた。

「シャルル!?どうして…」

僕はシャルルに寄りかかり、しゃがんでシャルルの体を抱え上げる。しかし、シャルルは体をねじって僕の手の中から飛び降りた。どこか焦っている。

「ビアンカが…ビアンカがっ!!」

猫がしゃべっていることに、僕以外の人は驚く。

「…シャルル、一旦落ち着いて」

「で、でも…っ!」

「ヴィントシュティーレ!」

僕は人の目を気にせずにシャルルに魔法をかけた。僕がかけた魔法は、相手の心を落ち着かせる魔法。

僕が突然、不思議な言葉を呟いたことに皆は驚いていた。

「……それで、ビアンカがどうしたの?」

僕が問いかけると、シャルルは慌てる様子もなく僕を見つめた。

「…ビアンカがさらわれた」

「……っ!誰に?」

「分からない…急に家に入ってきた人にビアンカをさらって行ったんだ」

シャルルがそう言った時、窓から魔法が飛んできた。

僕は咄嗟に女王様に教えてもらった防御魔法を使って、それを防ぐ。

「誰!?」
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