ようこそ、不思議の国へ
マーリンの言葉にアリスは固まる。無理もない。ずっとマーリンは、アリスに家族のように接していた。時には褒め、時には叱り、時には相談し――。
「…アリスは、アリスが生まれてすぐに両親に捨てられた。それを見つけた俺がアリスを育てていたんだ」
「……そうだったんだ。でも、これからも僕の父としていてくれるよね?」
「そうしたいんだけど…俺は、事情で帰らないと行けなくなったんだ…アリスは、俺についてくるか?それとも1人で暮らすか?」
「……僕は、お父さんについていきたい…けど、僕は今の友達と離れたくない。だから、1人で暮らすよ」
アリスが強くそう言うと、マーリンは満足そうにうなずいた。
「…お願いがある。俺のこと、出来れば名前で呼んで欲しいんだけど」
「どうして?」
「もしかしたら、この先お前の両親と会う時が来るかもしれない。その時、お前が胸張って『僕の父親は、マーリンだ』って言えるようにな」
「……分かった。じゃあ…お父さん…じゃなくて、マーリンさん?」
「それで良い…ありがとう」
マーリンはそう嘘を言って微笑んだ。アリスに名前を呼ばせたのは、マーリン自身がアリスの父親という存在から遠のきたかったからだ。
マーリンは、アリスに消却魔法(記憶を消す魔法)をかけ、置き手紙を置くとそっと家を後にした。
「…アリスは、アリスが生まれてすぐに両親に捨てられた。それを見つけた俺がアリスを育てていたんだ」
「……そうだったんだ。でも、これからも僕の父としていてくれるよね?」
「そうしたいんだけど…俺は、事情で帰らないと行けなくなったんだ…アリスは、俺についてくるか?それとも1人で暮らすか?」
「……僕は、お父さんについていきたい…けど、僕は今の友達と離れたくない。だから、1人で暮らすよ」
アリスが強くそう言うと、マーリンは満足そうにうなずいた。
「…お願いがある。俺のこと、出来れば名前で呼んで欲しいんだけど」
「どうして?」
「もしかしたら、この先お前の両親と会う時が来るかもしれない。その時、お前が胸張って『僕の父親は、マーリンだ』って言えるようにな」
「……分かった。じゃあ…お父さん…じゃなくて、マーリンさん?」
「それで良い…ありがとう」
マーリンはそう嘘を言って微笑んだ。アリスに名前を呼ばせたのは、マーリン自身がアリスの父親という存在から遠のきたかったからだ。
マーリンは、アリスに消却魔法(記憶を消す魔法)をかけ、置き手紙を置くとそっと家を後にした。