僕らの永遠を明日に見ていた
ガチャンと家の扉が閉まる音が後ろに聞こえた気がした。
じわじわと視界が歪む中で今までで見た事がないほどふにゃんと笑ったユキ、のドッペルゲンガー。
ドッペルゲンガーはそんな笑い方もできるの?
そろそろ私いたい子になりつつあるけど大丈夫?
そんなことが頭の中をグルグルまわりまわっていて。
「 ゆ、き…? 」
「 おはよう小日向 」
「 おは、よう… 」
ああ、ドッペルゲンガーとは会話ができるのか。
「 あ、ネクタイまた結んでない。
貸して、結ぶから。 」
「 あ……うん、 」
何が起こってるんだろう…。
「 ユキ…? 」
「 ん? 」
しゅるしゅるとユキの手によってネクタイが結ばれていく。
「 ゆ、き…? 」
「 どーした 」
しゅるっという衣擦れの音が耳について、やっと目の前の存在がリアルになった。
「 ゆ、き…っ! 」