僕らの永遠を明日に見ていた
「 合格したよ、 」
「 ……っ 」
「 俺、合格した 」
おめでとう、と言おうとした前に、ユキはまた口を開いた。
「 俺、ずっと分からなくて 」
「 え? 」
「 ごめん、」
一体、何を謝られているのだろうか。
何に対して、私は
「 サクラなしの夏をもう思い出せなくて、この先の夏に、サクラの隣にほかの男がいると思うと気が狂いそうになる」
「 え、っと... 」
さっきまで小日向呼びだったのに、急にサクラなんて呼ばないで。
それに、そんな言葉、まるで私の事好きみたいに、
自意識過剰みたいになるの、やだよ、
「 ごめん、サクラ 」
来年の夏も、俺は君のそばを離れられそうにないみたい。
少し震えた声でユキは言った。
「 このままじゃ、遅刻しちゃうね 」
そっと、私はユキから離れて言った。