お宿の看板娘でしたが、王妃様の毒見係はじめます。
*
「ほら、ロザリーさん、背筋が曲がっているわ」
「すみませんっ」
ケイティにぴしりと背中をたたかれて、ビクリと体を震わせると、向かいに座るクロエがくすくすと笑う。
「ロザリーは小動物みたいね。友達が飼っている猫を思い出すわ」
馬鹿にされているのか褒められているのか分からず、ロザリーはクロエを見上げた。
毎日、こんな感じでケイティとともに、令嬢教育が行われている。
お茶会の作法、夜会の作法。それからダンスレッスンに、会話術。多くの教師が呼ばれ、ロザリーは毎日頭がパンクする勢いで知識を詰め込まれている。
クロエはたまに冷やかしにやって来ては、一緒にお茶を飲んでくれる。
「うちの親戚筋は全部頭に入った?」
「なんとか」
「ならそろそろいいんじゃないの。お母様」
「そうね。国王様の謁見の許可もいただけそうなの。いよいよ、社交界デビューね」
意気込むケイティに、にやにやと笑うクロエ。
「デビュタントは必ず王族と挨拶をするの。国王様からお言葉をいただいて、初めて貴族令嬢として認められるわけ」
「本当ですか? が、がんばりますっ!」
ようやく王城にはいれるとあって、ロザリーもやる気満々だ。
叶うならば、ザックの姿を見ることができますように、とロザリーは手をギュッと握って祈った。
「ほら、ロザリーさん、背筋が曲がっているわ」
「すみませんっ」
ケイティにぴしりと背中をたたかれて、ビクリと体を震わせると、向かいに座るクロエがくすくすと笑う。
「ロザリーは小動物みたいね。友達が飼っている猫を思い出すわ」
馬鹿にされているのか褒められているのか分からず、ロザリーはクロエを見上げた。
毎日、こんな感じでケイティとともに、令嬢教育が行われている。
お茶会の作法、夜会の作法。それからダンスレッスンに、会話術。多くの教師が呼ばれ、ロザリーは毎日頭がパンクする勢いで知識を詰め込まれている。
クロエはたまに冷やかしにやって来ては、一緒にお茶を飲んでくれる。
「うちの親戚筋は全部頭に入った?」
「なんとか」
「ならそろそろいいんじゃないの。お母様」
「そうね。国王様の謁見の許可もいただけそうなの。いよいよ、社交界デビューね」
意気込むケイティに、にやにやと笑うクロエ。
「デビュタントは必ず王族と挨拶をするの。国王様からお言葉をいただいて、初めて貴族令嬢として認められるわけ」
「本当ですか? が、がんばりますっ!」
ようやく王城にはいれるとあって、ロザリーもやる気満々だ。
叶うならば、ザックの姿を見ることができますように、とロザリーは手をギュッと握って祈った。