あの歌が聞こえてくる
「だから、べつにオカマになったわけじゃないけど、私はみんながいて、みんなが笑ってくれるそんな場所が私の居場所なんだなって思ったのよ!」俺も酔った勢いを言い訳にして話し出した。「自分でも分かってるんです。甘いって。自分でなんとかしなきゃって。このままじゃ駄目だって。けど、俺なんもないし・・・。ダサいし・・・。けど自信持ってやんなきゃってとおるさんの話聞いてて思ったんですよ。けど、やっぱり自信持てないって言うか・・・。なにに自信もてばいいのかなって。」すると、とおるさんはいきなり立ち上がり、地声で「ちょっとお前立てよ!」と俺の髪の毛を強く掴んだ。ビックリした。いつも裏声みたいな汚い声しか聞いたことなかったとおるさんの声はマジで貫禄のある声になった。「はい・・・。」「歯食いしばれ!」歯を食いしばり、殴られると思い目をつぶった。
ドッス・・・
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