夜をこえて朝を想う
『最終日、綺麗なかっこしてきてねー。』

相変わらず、たまに届く二宮くんからの謎のメッセージ。

『ああ、はい。』

適当に返す。

心配してくれてる。

ああ見えて。

吉良くんも麗佳さんも。

ありがたいな。

吉良くんはやっぱり…

麗佳さんの前で梓の名前出してて、ビックリしたけど…

あの人も、けっこうイタイよね。

自分、厳しいくせにっ。

それも含めて…受け入れてるんだな。

麗佳さん。

大人だな。

過去かぁ。

そうだな。私も…過去のスパイラルの中に気づかないうちに入っていたのかも。

麗佳さんの言葉が心に響く。

愛されたっていいじゃないか。

私も。

ようやくそう思えた。

あ…まあ、彼なりに好きでいてくれてるんだけどな

二宮くんは。

彼とどうにかなることは考えられなかった。

彼の事は…うん、動物っぽい。自由で。

勝手で、可愛い。

ありがとう。

救われた。彼の存在に。

あと1日。

逃げきれる。

私は、ケリも、話し合いも

避けるつもりだった。

顔を見ると、流される。

だから、これがベストだ。

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